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2025.03.01
SEO
SEO対策のクローラーとは?|検索エンジンに好かれるサイト設計のコツとは?
Webサイト運営においては、いくら高品質なコンテンツを発信しても、検索エンジンのクローラーがそのページを正しく認識していなければ、成果にはつながりません。
「ページを作ったのに検索結果に出てこない」
「更新したのに反映が遅い」
その原因の多くは、クローラビリティにあります。
本記事では、企業サイトのSEO担当者が知っておくべき「クローラー最適化」の考え方と、実践的な改善策を専門的な視点で解説します。
クローラビリティの重要性
「SEO対策をしているのに検索順位が上がらない」と感じたことはありませんか?
実はその原因「クローラビリティ」にあるかもしれません。
クローラー(検索エンジンの巡回ロボット)は、あなたのサイトの情報を集めて評価する重要な存在です。
どんなに優れたコンテンツを作っても、クローラーが正しく読み取れなければ評価されません。
クローラビリティとは、検索エンジンがサイトをスムーズに巡回・理解できる状態を示す指標のこと。ここを最適化することで、検索エンジンに正しく情報を伝え、上位表示のチャンスを広げることができます。
SEOとクローラーの関係
SEO(検索エンジン最適化)は、クローラーが正しく情報を取得できる前提の上に成り立ちます。
検索エンジンは日々、クローラーという自動プログラムを使って膨大なWebページを巡回し、内容を分析してインデックス(データベース)に登録します。
クローラーが読み取りやすい構造にしておくことが、Googleなどの検索サイトに正しく評価される第一条件です。
たとえば、HTML構造が複雑でリンクが途切れていたり、JavaScriptで主要情報を隠していたりすると、クローラーが重要な情報を認識できません。
結果として、以下の問題を引き起こすケースがあります。
クローラーが認識できないことで発生するエラー
- ❶ ページがインデックスされない
- ❷ 検索順位が上がらない
SEOの目的は「ユーザーに見つけてもらう」こと。
そのためにはまず、「クローラーに見つけてもらう」ことが必須です。
この考え方を理解することで、SEO対策の土台を正しく整えることができます。
検索エンジンがサイトを評価する仕組み
検索エンジンの評価は「クロール → インデックス → ランキング」という3段階で進みます。
クローラーの認識ステップ
- ❶ クロール(Crawl) クローラーがページを発見し、情報を取得する段階。
- ❷ インデックス(Index) 収集した情報を検索エンジンのデータベースに登録する段階。
- ❸ 最後の文で次の見出しへの導線を意識する。
この流れのどこかで問題があると、たとえば「良いコンテンツを作っても検索に出ない」といった現象が起こります。
特にクローリング段階でのエラーは、SEO全体に大きな影響を及ぼすため、定期的なチェックが欠かせません。
初心者の方は、まずGoogle Search Consoleを活用して「クロール済みページ」と「除外されたページ」を確認するのがおすすめです。
これにより、検索エンジンが自社サイトをどのように扱っているかを可視化できます。
もし、コンテンツ数が多すぎて管理体制が整わない問題を抱えているなら、SEO対策に強みを持つ会社に依頼することをおすすめします。工数を最小化しつつ利益を最大化できれば、自動的に利益を生む仕組みが出来上がるためです。
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クローラビリティが低いと起こる問題
クローラビリティが低下すると、検索エンジンがあなたのサイトを正しく認識できなくなり、結果的に検索結果に表示されにくくなる、評価が上がらない といった深刻なデメリットが発生します。
代表的な問題としては、次のようなケースが挙げられます。
1.一部のページがクロールされず、インデックス登録されない:クローラーが到達できないページは、存在しないのと同じ扱いを受け、検索結果に一切表示されません。
2.更新情報が検索結果に反映されるまで時間がかかる:クロール頻度が低いサイトでは、新しいコンテンツや修正が検索エンジンに認識されるまでに時間がかかります。
3.重複ページやエラーページが多く、サイト全体の評価が下がる:内部リンクの不備や不要なURLパラメータが多いと、クロール効率が悪化し、サイト全体の品質スコアが低下します。
さらに、クローラビリティの低下は ユーザー体験(UX) にも悪影響を及ぼします。
クローラーがたどれないリンク構造や複雑な階層は、人間のユーザーにとってもナビゲーションが分かりづらく、離脱率の上昇につながるのです。
結果として「検索エンジンにも、ユーザーにも嫌われるサイト」 となってしまう危険があります。
こうした問題を防ぐためには、まずクローラーの動きを正しく理解し、技術的な最適化(Technical SEO) を行うことが不可欠です。
次の章では、クローラビリティを改善するための具体的な対策を、実例を交えて詳しく解説します。
SEOにおける基本的なクローラー対策
クローラビリティを高めることは、SEOの根幹にあたります。
企業サイトの場合、コンテンツの量や構造が複雑なため、単に「更新すれば評価される」というわけではありません。
検索エンジンのクローラーが効率よく巡回し、重要なページを確実に認識できる状態をつくることが重要です。
ここでは、技術的な視点からクローラー対策の基本を体系的に整理します。
クローラーの巡回対象となる主なファイル形式
クローラー(特にGooglebot)が解析・評価対象とするのは、以下のようなファイルです。
これらを正しくクロール可能な状態に保つことで、検索エンジンがサイト全体の構造やコンテンツを正確に理解できるようになります。
|
ファイルの種類 |
説明 |
|
HTMLファイル |
ページ本文や構造を記述する中核要素。コンテンツの意味や見出し構造を理解する基礎情報。 |
|
CSSファイル |
デザインやレイアウト情報を定義。クローラーはこれを解析し、表示の一貫性やモバイル対応を把握。 |
|
JavaScriptファイル |
動的処理やインタラクションを実行。Googlebotはレンダリングして生成コンテンツも解析。 |
|
テキストファイル(.txt) |
robots.txtなど、クローラーの行動を制御する指示ファイル。巡回可否を定義する重要要素。 |
|
画像ファイル(JPEG・PNG・SVGなど) |
alt属性や構造化データを通じて画像内容を検索エンジンに伝達。ビジュアルも評価対象に。 |
|
PDFファイル |
GoogleはテキストベースPDFを解析可能。ホワイトペーパーや資料もインデックス対象になる。 |
補足:Flashファイル(.swf)について Flashは2021年以降、主要ブラウザおよびGoogleのサポート対象外となっています。
そのため、SEO・クローラビリティの観点からは利用を避けるべき形式です。
既存サイトで使用している場合は、HTML5や動画ファイル(MP4など)への移行が推奨されます。
robots.txtとsitemap.xmlの最適化
robots.txtとsitemap.xmlは、いわばクローラーへの「案内板」と「地図」です。
robots.txtは、どのページにアクセスできるか、またはしてはいけないかを明示するルールを定義します。 一方でsitemap.xmlは、サイト内の主要ページや更新頻度を記載し、検索エンジンに効率よくクロールしてもらうための補助ツールです。
この二つを整備する目的は「不要なページを排除し、重要なページを重点的に巡回させること」にあります。
企業サイトでは、テスト環境や管理画面、PDFの一部など、インデックスさせる必要のない領域が存在します。
それらをrobots.txtで的確に除外しつつ、公開すべきコンテンツはsitemap.xmlで明確に伝えることが理想です。
また、sitemap.xmlは一度作成して終わりではなく、サイト更新やページ削除に合わせて動的に更新される仕組みを整えるとよいでしょう。
定期的なメンテナンスが、クロールの精度とサイト全体の信頼性を維持します。
定義・作成方法については専門的な内容のため別記事を用意しますが、WordPressならプラグインを活用することで、これらの指示を簡単に送信できます。
クロール頻度を高める施策
クロール頻度とは、検索エンジンがあなたのサイトをどれだけ頻繁に訪問するかを示す指標です。
企業サイトにおいてこの頻度が低い場合、新しい製品情報やプレスリリースが公開されても、検索結果への反映が遅れることがあります。
結果的に情報鮮度が損なわれ、ビジネス機会を逃す恐れもあります。
クロール頻度を高めるコツは以下の通り。
クロール頻度を高めるコツ
- ❶ サーバーを安定させる
- ❷ 継続的にコンテンツを更新する
- ❸ 内部リンクを整理しクローラビリティを高める
- ❹ 外部サイトからのリンクを獲得する
このように、運営体制を整えてWebサイトに触る頻度を高めることで、おのずとクロール頻度も高まっていきます。
リンクを購入するといった悪質なSEO(ブラックハットSEO)ではなく、ホワイトハットSEOを目指しましょう。
内部リンクとサイト構造の改善
内部リンクはクローラーにとってサイト内を巡回するための「道筋」であり、整理されていないと目的のページにたどり着けずインデックスされない恐れがあります。
特に企業サイトのように階層が複雑な場合、縦割り構造では巡回が滞りやすくなります。
トップページから主要カテゴリー、下層ページへと自然に流れる論理的なサイトマップを設計することで、リンク切れや孤立ページを防ぎ、サイト全体の構造を最適化できます。
クローラーの最短経路を意識した内部リンク設計は、SEOとUXを同時に高める重要な施策です。
クローラーに評価されるサイト設計
検索エンジンに正しく巡回されるだけでなく、「評価される」サイトにするためには、構造・品質・技術の三つの視点が欠かせません。
この章では、クローラーがサイトを高く評価するための条件を整理し、企業サイトが長期的に信頼を獲得できる設計方針を解説します。
重複コンテンツとエラーページの防止
企業サイトでは、商品紹介ページやプレスリリースなど、似た構成のページを多数持つケースが多く見られます。
しかし、これらのページが同一または類似の内容を持つと、検索エンジンは「どのページを評価すべきか」を判断できず、結果として全体の評価が分散してしまいます。
これが、いわゆる重複コンテンツ問題です。
重複を防ぐためには、まずURL構造を統一することが前提となります。
たとえば、同一内容を /product/abc と /product/abc/?ref=top のように複数のURLでアクセスできる状態は、クローラーにとって混乱のもとです。
正規URLをcanonicalタグで明示し、評価を一箇所に集約することで、サイト全体のクロール効率と信頼度を高められます。
また、リニューアルやCMS移行の際に古いURLが残っていると、404エラー(ページが存在しない状態)が発生します。
こうしたエラーページが増えると、クローラーは「リンク切れの多いサイト」と判断し、クロール頻度を下げる傾向があります。
不要なURLは301リダイレクトを設定し、ユーザーとクローラーの両方を適切なページに導くことが重要です。
このように、重複とエラーを未然に防ぐことは、単なるメンテナンスではなく、サイトの評価資産を守る行為といえます。
企業サイトにおけるSEOとは、積み上げた情報の信頼性を損なわず維持するための、地道な品質管理でもあります。
モバイル対応とページ速度の向上
Googleは現在、モバイルファーストインデックス(MFI)を標準としています。
つまり、検索エンジンはスマートフォン版のページを主な評価対象としており、モバイルでの表示品質こそがSEOの成否を左右する要素です。
Webサイトの多くは、BtoB・BtoCを問わず、スマートフォン経由の閲覧が過半数を占めることが一般的です。
そのため、モバイル端末での表示崩れや読み込み遅延は、ユーザー体験だけでなくクローラーの認識精度にも悪影響を与えます。
特に注視すべきは、ページ速度(Page Speed)です。
Googleが公開する指標「Core Web Vitals」では、表示速度・操作応答性・レイアウト安定性が評価項目となっています。
画像サイズの圧縮、キャッシュの最適化、不要スクリプトの削除といった基本施策を怠ると、クローラーが「遅い」「不安定」と判断し、インデックス評価が下がる場合もあります。
さらに、JavaScriptレンダリングの最適化も忘れてはいけません。
動的要素が多い企業サイトでは、初期読み込み時にコンテンツが描画されない状態(いわゆる“空ページ”)が発生することがあります。
これを防ぐには、サーバーサイドレンダリング(SSR)やプリレンダリングを採用し、クローラーが最初から完全なHTML構造を認識できるようにするのが理想です。
結果的に、モバイル対応と速度改善は、ユーザー体験・ブランドイメージ・クローラー評価のすべてを底上げする施策になります。
検索順位を上げるというより「下がらないための技術的防衛線」として位置づけるのが企業サイトにおける正しい捉え方です。
構造化データとメタ情報の整備
検索エンジンは、ページの内容を「読む」ことはできても「意味を理解する」ことはまだ完全ではありません。
そのギャップを埋めるのが、構造化データ(Structured Data)です。
構造化データとは、ページの内容を機械が理解できる形式で記述するマークアップ情報のこと。
たとえば、企業概要ページで「社名」「所在地」「代表者名」「設立年」などをOrganizationスキーマで明示すれば、検索エンジンはそのページが「会社情報」であることを正確に判断できます。
これにより、検索結果でのブランド表示(ナレッジパネルなど)やリッチリザルト化が促進され、CTR(クリック率)向上にもつながります。
また、ニュースリリースやブログ記事などの情報発信コンテンツでは、Articleスキーマを設定することで、発行日や著者、更新情報が正しく反映されます。
この整備は、Google Discoverやニュースタブへの露出機会を増やす要因にもなります。
構造化データと並行して、メタ情報(タイトルタグ・ディスクリプション・OGPなど)の統一管理も欠かせません。
タイトルが長すぎたり、ページごとにフォーマットが異なっていたりすると、ブランドの一貫性が損なわれます。
企業サイトでは、「どの部署がどのページを管理しても一定品質が保たれるメタ運用ルール」を設けることが理想です。
最終的に、構造化データとメタ情報の整備は、検索エンジンとの意思疎通を正確にするための技術的翻訳とも言えます。
検索エンジンに正しく情報を伝えることで、企業の信頼性や存在感をより強く印象づけます。
よく寄せられるクローラー対策の基本に関するFAQ
Q1. クローラーがHTML以外のファイルを読むことに、どんな意味がありますか?
A. 検索エンジンは、ページをユーザー視点で理解しようとしています。
そのため、HTMLだけでなく、CSS・JavaScript・画像なども解析対象としています。
たとえば、CSSがブロックされていると、Googleはページデザインを正しく描画できず、「モバイル対応が不十分」と判断する場合があります。
したがって、デザインや動的要素を含めて、クローラーがページを完全に再現できるようにしておくことが、SEOの信頼性を支える重要な要素です。
Q2. robots.txtとsitemap.xmlはどちらがより重要ですか?
A. どちらも役割が異なり、どちらか一方で十分ということはありません。 robots.txtは「クローラーがどこを見てよいか」を示す制御の役割を持ち、sitemap.xmlは「見てほしいページを明示する案内役」です。
つまり、robots.txtは“制限”の指示書、sitemap.xmlは“誘導”のガイドマップのような関係です。 企業サイトのようにページ数や階層が多い場合、この二つを適切に併用することがクロール効率を最大化します。
Q3. sitemap.xmlは一度作ればそのままで問題ないですか?
A. いいえ。サイト構造やURLは時間とともに変化します。
新規ページの追加、古いコンテンツの削除、ドメインの再編などに応じてsitemap.xmlを更新しなければ、クローラーが古い情報を巡回し続けることになります。
理想的には、CMSやサーバー側で自動更新の仕組みを導入すること。
難しい場合でも、3〜6か月ごとの見直しをルーティン化すると、最新の状態を保てます。
Q4. クロール頻度が低いと、SEOにどのような悪影響がありますか?
A. クロール頻度が低下すると、検索結果への反映速度が遅くなり、情報鮮度が損なわれます。
企業サイトでは、製品情報やIR資料の更新がタイムリーに反映されないことが、信頼性や機会損失につながるケースもあります。
頻度を上げるためには、定期的な更新・安定したサーバー・低エラー率・外部サイトからのリンク獲得が効果的です。
クロール頻度は、単なる技術的数値ではなく、サイトの健全性を映す指標でもあります。
Q5. 内部リンクを最適化する際に、最も優先すべきことは何ですか?
A. 最も重要なのは、「クローラーが迷わない構造」を作ることです。
トップページから3クリック以内に主要ページへ到達できる階層構造を維持し、孤立ページを作らないようにします。
また、リンクテキスト(アンカーテキスト)は、単なる「こちら」ではなく、ページ内容を具体的に示す文言にすることで、クローラーの理解を助けます。
これは同時に、ユーザーの回遊性を高める施策としても有効です。
Q6. Google Search Consoleの「クロールエラー」レポートはどのように活用すべきですか?
A. Search Consoleは、クローラーの動きを可視化できる貴重なツールです。
エラーの発生箇所を把握し、404ページ・リダイレクトミス・robots.txtの誤設定などを早期に発見できます。
特に、企業サイトでは更新担当者が複数いるため、構造変更に伴うエラーが発生しやすい傾向があります。 月1回程度の定期チェックを行い、エラーが出た場合は該当URLの修正・削除・再送信を迅速に対応しましょう。
まとめ:クローラー最適化は企業信頼の基盤
クローラーに正しく巡回・評価されることは、検索順位の向上だけでなく、企業のデジタル信頼を築くための第一歩です。
重複やエラーを防ぎ、モバイル対応・構造化データなどを整えることで、検索エンジンにもユーザーにも理解されるサイトへと成長します。
企業として取り組むべきは、「定期的に見直し、改善を重ねる運用体制」を築くことです。 SEOは一度の施策で完結するものではなく、継続的な改善が最大の成果を生み出します。
クローラー最適化を通じて、技術と信頼を両立し、ブランドの価値を確実に高めていきましょう。
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