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2025.10.20
マーケティング
マーケティングオートメーション(MA)導入完全ガイド!成功する8つのステップと失敗しないための注意点
デジタルマーケティングの重要性が高まる中、多くの企業が注目しているのがマーケティングオートメーション(MA)です。
見込み顧客の獲得から育成、商談化まで、マーケティングプロセス全体を効率化できるMAツールは、企業規模を問わず導入が進んでいます。
しかし
「導入したものの思うような成果が出ない」
「どう活用すればいいか分からない」
といった声も少なくありません。
実は、MAツールは導入するだけでは効果を発揮できないのです。適切な運用体制を整え、効率的に回していくことが必要不可欠となります。
この記事では、MAの基本から導入のメリット、注意点、失敗しがちな企業の特徴、具体的な導入ステップまで、これからMAを導入する企業が知っておくべき情報を網羅的にご紹介します。
「MAを導入してマーケティング活動を効率化したい」
「営業との連携を強化したい」
「リード育成の仕組みを整えたい」
と考え、MA導入に踏み切ろうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
マーケティングオートメーション(MA)とは?
マーケティングオートメーション(MA)は、企業のマーケティング活動を効率化し、見込み顧客との関係構築を自動化するツールです。
見込み顧客の獲得から育成、商談化までマーケティングプロセス全体を一元管理できるのが大きな特徴。
メールの配信やWebサイトの訪問履歴の追跡、スコアリングなど、これまで手作業で行っていた業務を自動化し、効率的に顧客にアプローチします。
近年、デジタルマーケティングの重要性が高まる中で、MAツールの導入は企業規模を問わず広がっています。見込み顧客の行動データを分析しながら、最適なタイミングで最適な情報を届けることで、成約率の向上にも寄与するでしょう。
BtoB企業を中心に、マーケティングと営業の連携強化を目指す企業にとって、MAは欠かせない存在となっているのです。
マーケティングオートメーションの振り返り
- マーケティング活動を自動化する活動・ツールのこと
- 一元管理で業務効率化
- 成約率を追うマーケティングチームに欠かせない存在
マーケティングオートメーションを導入するメリット
MAツールを導入すると、マーケティング活動が大きく変わります。
ここでは、MA導入によって得られる主なメリットを4つご紹介します。
- 見込み顧客を獲得しやすくなる
- マーケティング活動を自動化できる
- 営業を効率化できる
- リソース不足を解消できる
それぞれ詳しく解説します。
見込み顧客を獲得しやすくなる
MAツールを活用すれば、Webサイトへの訪問者や資料ダウンロードをする人など、さまざまな接点から見込み顧客の情報を自動的に収集できます。
従来は展示会や問い合わせフォームからの獲得が中心でしたが、MAを導入することで、より多くのチャネルから効率的にリードを集められるように。
特にWebサイト上の行動履歴を追跡できるため、興味関心の度合いを可視化し、確度の高い見込み顧客を見極めることが可能です。
コンテンツマーケティングやSNS施策と組み合わせることで、さらに獲得経路を広げられるのも魅力でしょう。
マーケティング活動を自動化できる
以下のマーケティング活動を自動化できることがMAの魅力です。
- メール配信
- Webページの対策
- スコアリング
このように、これまで人の手で行っていた作業を自動化できるのがMAの最大の強みです。
見込み顧客の行動に応じて、事前に設定したシナリオに沿って自動的にアプローチできるため、担当者の負担を大幅に削減できます。
たとえば、資料をダウンロードした見込み顧客に対して、数日後に関連情報をメールで送る、さらに一定期間経過後にセミナー案内を届けるといった流れを自動化。
人的ミスを減らしながら、タイミングを逃さないアプローチが実現します。
営業を効率化できる
MAツールによって見込み顧客の行動データが可視化されると、営業チームはより確度の高いリードに注力できるようになります。
ツールのスコアリング機能を使えば、興味関心度の高い見込み顧客を自動的に抽出し、営業担当者に通知することが可能。これにより、アプローチすべき優先順位が明確になり、商談につながる機会を増やせます。
また、マーケティング部門と営業部門の情報共有もスムーズになるため、部門間の連携強化にも効果的です。
見込み顧客がどのコンテンツに興味を持っているか、どのページを閲覧したかといった情報を営業が把握できるため、商談時の提案精度も高まります。
リソース不足を解消できる
マーケティング業務は多岐にわたり、リソース不足に悩む企業も少なくありません。
MAツールを導入すれば、リード管理やメール配信、効果測定といった定型業務を自動化できるため、限られた人員でも効率的に運用できます。
特に中小企業やスタートアップなど、マーケティング専任の担当者を確保しにくい企業にとって、MAは強力な味方。
自動化によって生まれた時間を、戦略立案やコンテンツ制作など、より創造的な業務に充てられるようになります。
メリットの振り返り
- マーケティング活動を自動化し、リソースを大幅削減
- 自動収集により見込み顧客を獲得しやすくなる
- マーケティング・営業チームの連携が取れ、商談時の提案精度向上につながる
マーケティングオートメーションを導入する際の注意点
MAツールは多くのメリットをもたらしますが、導入にあたってはいくつか注意すべき点もあります。
ここでは、導入前に知っておきたい3つの注意点をご紹介します。
- 運用コストがかかる
- 人材確保が必要
- 成果が出るまでに時間がかかる
詳しく解説します。
運用コストがかかる
MAツールの導入には、初期費用だけでなく継続的な運用コストが発生します。
ツールのライセンス費用は月額数万円から数十万円と幅広く、機能や利用規模によって大きく変動。加えて、コンテンツ制作やシナリオ設計、データ分析といった運用業務にも人件費がかかります。
導入前には、ツールの利用料だけでなく、運用全体にかかるコストを見積もっておくことが重要です。
費用対効果を考えながら、自社に合った予算規模のツールを選定しましょう。
人材確保が必要
MAツールを効果的に運用するには、マーケティングの知識やツールの操作スキルを持った人材が不可欠です。
ツールを導入しただけでは成果は出ません。シナリオ設計やコンテンツ制作、データ分析といった業務を担える人材が社内にいるか、もしくは育成できる体制があるかを確認しておく必要があります。
また、社内にノウハウがない場合は、外部のコンサルティングサービスを活用するのも1つの方法。
ただし、その場合も社内に知見を蓄積していく姿勢は必要で、インハウス化を目指して時間をかけて運用することが重要です。
成果が出るまでに時間がかかる
MAツールを導入しても、すぐに劇的な成果が出るわけではありません。
見込み顧客の育成には一定の期間が必要で、シナリオの最適化やコンテンツの充実にも時間がかかります。
一般的に、MAの効果を実感できるまでには半年から1年程度かかると言われています。
短期的な成果を求めすぎず、中長期的な視点で取り組むことが大切です。
PDCAサイクルを回しながら、着実に改善を重ねていく姿勢が成功の鍵となります。
注意点の振り返り
- 導入コストだけでなく運用コストも把握する必要がある
- 運用するためには人材確保が必要不可欠
- 短期間で成果が出るとは限らない
マーケティングオートメーションの導入に失敗してしまう企業の特徴
MAツールを導入しても、期待した成果が得られない企業も少なくありません。
ここでは、失敗しがちな企業に共通する5つの特徴をご紹介します。
- MAを入れる目的が定まっていない
- 知識・顧客理解不足
- 運用体制が整っていない
- リードの獲得に課題を感じている
- MAツールをうまく活用できていない
詳しく解説します。
MAを入れる目的が定まっていない
「競合が導入しているから」
「流行っているツールだから」
といった理由だけでMAを導入すると、失敗する可能性が高まります。
自社が抱える課題や達成したい目標が明確でないまま導入しても、どのように活用すべきか分からず、ツールを持て余してしまうことに。
MA導入前には、現状の課題を洗い出し、何を解決したいのか、どんな成果を目指すのかを明確にしておくことが重要です。
目的が定まっていれば、ツール選定や運用方針も自ずと見えてきます。
たとえば「MAを導入してリソース不足を改善したい」ことが目的なのであれば、導入によって何%の改善が見込めるといった情報も踏まえてツールを選定するといった施策が見つかります。
知識・顧客理解不足
MAツールを使いこなすには、マーケティングの基本知識と、自社の顧客に対する深い理解が必要不可欠です。
顧客の購買プロセスやニーズを把握していないと、効果的なシナリオ設計やコンテンツ制作ができません。ツールの機能に頼るだけでは、顧客に響くメッセージは届けられないのです。
導入前に、ペルソナ設定やカスタマージャーニーの整理など、顧客理解を深める取り組みを行っておきましょう。
社内にマーケティングの知識が不足している場合は、研修や外部サポートの活用も検討し、クリアになった状態でMAの導入を検討すべきでしょう。
運用体制が整っていない
MAツールは導入して終わりではなく、継続的な運用が必要です。
担当者が兼任で運用を任されたり、明確な役割分担がなかったりすると、十分に活用できないまま放置されてしまいます。
誰がどの業務を担当するのか、どのような頻度で分析・改善を行うのか、運用体制を明確にしておくことが大切です。
社内リソースが限られている場合は、外部パートナーとの連携も視野に入れながら、持続可能な運用体制を構築しましょう。
リードの獲得に課題を感じている
MAツールは見込み顧客を育成するツールであり、リード獲得そのものを解決するツールではありません。
そもそもリードが少ない状態でMAを導入しても、育成する対象がいないため効果を発揮できないのです。
MA導入を検討する前に、まずはリード獲得施策を強化し、一定量の見込み顧客を確保することが先決。
コンテンツマーケティングや広告施策と並行してMAを活用することで、初めて真価を発揮します。
MAツールをうまく活用できていない
高機能なMAツールを導入しても、基本的な機能しか使っていない、あるいは設定が不十分なまま運用しているケースも多く見られます。
ツールには多彩な機能が搭載されていますが、それらを理解し使いこなすには学習と実践が必要です。マニュアルを読むだけでなく、実際に操作しながらノウハウを蓄積していくことが求められます。
導入時にベンダーの研修を受けたり、運用サポートを活用したりしながら、段階的に機能を使いこなせるよう取り組んでいきましょう。
失敗してしまう企業の残念な特徴
- MA化が目的になってしまっている
- 運用体制が整っておらず効果を期待できない
- 顧客リストが少なくMAの効果を最大限発揮できていない
マーケティングオートメーションの導入方法
MAツールを効果的に導入するには、計画的なステップを踏むことが重要です。
ここでは、導入から運用までの具体的な流れを8つのステップに分けてご紹介します。
- 戦略の策定
- 運用ルールを決める
- カスタマージャーニーマップを作成する
- MAツールを選定する
- 運用フローを策定する
- 社内の運用体制を整える
- MA導入後に必要なコンテンツを用意する
- 分析・改善方法を決めておく
手順を詳しく解説します。
戦略の策定
まずは、MA導入によって何を達成したいのか、戦略を明確にします。
現状の課題や目標を洗い出し、MAを活用してどのように解決するかを具体化。たとえば「商談数を30%増やす」「メール開封率を20%向上させる」といった定量的な目標を設定しましょう。
戦略が明確になれば、後続のステップもスムーズに進められます。
経営層や関係部署とも共有し、全社的な理解を得ておくことも大切です。
運用ルールを決める
MAを継続的に運用していくには、明確なルール設定が欠かせません。
リードのスコアリング基準や、営業への引き継ぎタイミング、メール配信の頻度など、具体的な運用ルールを事前に決めておきます。
特にマーケティング部門と営業部門の連携ルールは重要。どの段階で営業にパスするのか、どんな情報を共有するのかを明確にしておくことで、部門間でスムーズに協力できます。
ルールは運用しながら改善していく前提で、まずは仮決めでも構いません。
カスタマージャーニーマップを作成する
顧客が製品やサービスを認知してから購入に至るまでの道のりを可視化したものが、カスタマージャーニーマップです。
各段階で顧客がどんな情報を求めているのか、どんな不安を抱えているのかを整理し、それに応じたアプローチ方法を設計します。
このマップがあれば、どのタイミングでどんなコンテンツを提供すべきかが明確になり、効果的なシナリオ設計につながります。
ペルソナごとに複数のマップを作成すると、より精度の高いアプローチが可能になりますよ。
MAツールを選定する
戦略やカスタマージャーニーマップが整理できたら、自社に合ったMAツールを選定します。
国内外にはさまざまなMAツールがあり、それぞれ得意分野や価格帯が異なります。自社の規模や業種、求める機能、予算に応じて比較検討しましょう。
また、ツールを活用する際は無料トライアルを活用して、実際の操作感を確かめるのもおすすめです。
また、サポート体制やUI/UXの使いやすさも重要な選定ポイント。長く使い続けるツールだからこそ、慎重に選びたいところです。
運用フローを策定する
MAツールを使って、具体的にどのような流れでマーケティング活動を行うのか、運用フローを設計します。
リード獲得から育成、商談化、受注後のフォローまで、一連のプロセスを可視化。各段階でどんなアクションを自動化するのか、どのタイミングで人の手が必要なのかを明確にします。
また、複数人で運用する場合はフローチャートやシナリオ図を作成すると、関係者全員が理解しやすくなります。
この段階で、メールテンプレートやランディングページの構成なども検討しておくとスムーズです。
社内の運用体制を整える
MAツールの運用には、複数の役割が必要です。
戦略立案やシナリオ設計を行う人、コンテンツを制作する人、データ分析を担当する人など、それぞれの役割を明確にし、担当者をアサインします。
一人で全てを担うのは現実的ではないため、チームとして運用できる体制を構築しましょう。
社内リソースが限られている場合は、外部パートナーとの役割分担も視野に入れながら、無理のない体制を整えることが成功の鍵です。
MA導入後に必要なコンテンツを用意する
MAツールを動かすには、メールやランディングページ、ホワイトペーパーなど、さまざまなコンテンツが必要です。
制作時はカスタマージャーニーマップに沿って、各段階で必要なコンテンツをリストアップし、優先順位をつけましょう。
最初から完璧なコンテンツを揃える必要はありません。まずは最低限必要なものを用意し、運用しながら充実させていく方針で問題ありません。
既存のコンテンツを活用できる場合は、リメイクや再利用も積極的に検討しましょう。
分析・改善方法を決めておく
MAツールは導入して終わりではなく、データを分析しながら継続的に改善していくことが重要です。
- どんな指標(KPI)を追うのか
- どのタイミングで分析を行うのか
- 誰が改善案を出すのか
上記のような情報を確認することが重要です。
たとえば、メール開封率やクリック率、リードスコアの推移、商談化率などを定期的にチェックし、PDCAサイクルを回していきます。
分析結果を関係者と共有する場も設けておくと、組織全体での改善意識が高まります。
導入手順の振り返り
- 戦略を策定し、ルールや顧客像を明確にする
- ツールの選定と運用体制を整える
- 導入後も気を抜かずに常に分析・改善を行う
マーケティングオートメーション導入に課題を抱えているならアリカへ相談!
MAツールの導入を検討しているものの、「何から始めればいいか分からない」「社内にノウハウがない」とお悩みの企業は少なくありません。
そんな時は、マーケティング支援の専門家に相談するのも一つの方法です。株式会社アリカでは、MA導入の戦略策定からツール選定、運用支援まで、一貫したサポートを提供しています。
経験豊富なコンサルタントが、貴社の課題や目標に合わせて最適なプランをご提案。導入後の運用もサポートするため、安心してMAを活用できます。
MAツールを最大限に活かし、マーケティング成果を向上させたい企業担当者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
マーケティングオートメーション(MA)は、見込み顧客の獲得から育成、商談化までを効率化し、マーケティング活動全体を最適化する強力なツールです。
業務の自動化によってリソース不足を解消し、営業との連携を強化できる一方で、運用コストや人材確保、成果が出るまでの時間といった注意点もあります。
導入を成功させるには、明確な目的設定と戦略策定、顧客理解、そして継続的な運用体制の構築が不可欠。ツールを導入するだけでなく、カスタマージャーニーマップの作成やコンテンツの準備、分析・改善のサイクルを回していくことが求められます。
MAツールは、正しく活用すれば企業のマーケティング力を大きく向上させる可能性を秘めています。自社の課題と目標を見据えながら、計画的に導入を進めていきましょう。